続・映画制作へのいざない
前にも少し言いましたが、映画のいいところは、後世に残せることだと思います。
もちろん、絵画や小説でも、後世に残る物がありますが、他のものに比べて、残しやすいのは、映画ではないかと思います。
絵画や、彫刻・建築などは、実際に見てみないと、そのよさが分からない場合があります。
書籍は、最近、電子書籍が増えてきているので、後世に残すことができます。
しかし、古典は、現代教育のレベルを超えていて、難解なものとなっています。
映画の場合、デジタル化の技術のおかげで、データ化すれば、どこでも見ることが
できます。そして、映画は、さまざまな人たちや物が関わっているので、関連づけが多く、検索がしやすいです。
例えば、溝口健二の「山椒大夫」。白黒の日本の古い物語だと思う人もいますが、
当時の日本の撮影、セット、俳優の演技は、とても技術的に高度で、
今の日本映画では、実現が不可能なものです。
世界中に、そういった過去の素晴らしい技術がつまった映画が数多く残っていますし、何らかの形で見ることができます。
自分の経験で言うと、10年前に作ったCMは、YOUTUBEで、やっとみれるかどうかという程度の保存しかされていませんが、
映画は、Amazon等で販売されていますし、配信されれば、永久に、見てもらうことができる可能性もあります。
自分が情熱をかけた証(あかし)が、ずっと何らかの形で、人の目に触れ続けることができることは、とても嬉しいことです。
映画を作る時には、そういうものを作ろうという気持ちになれるのではないかと思います。
私が、情熱をかけて、携わったコマーシャルは、もっと後世に生かせる方法で、保存・公開ができないかと思っています。
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