赤字にしない方法
プロデューサーができること。
1. 情報を集める。
赤字の原因がディレクターである場合があります。特に大作は注意。
ディレクターがいつもやるスタッフが高いのです。一番、コストダウンがやりにくいパターンです。
最初のスタッフィングがポイント。この時点で赤字が決定する場合が多いです。
よく、「私はあの人を仕切れる」と豪語するPがいますが、ほとんどが負け戦です。
ただ、ディレクターを弁護すると、ディレクター一人でできることは限られていて、
多くのスタッフのサポートが必要です。優秀なスタッフはコストがかかる傾向にあります。
同じことがクリエーター、タレントにも言えます。
実は、長い目で見ると、これらの人を甘やかして、赤字体質にしている責任のいくつかは
プロデューサーにあるのでないかと思います。皮肉な話です。
2.優秀な(若い)スタッフを安く使う。
いつまでも安くないので注意。いつの間にかモンスターディレクターになっていたりします。
また、優秀でないスタッフを安く使うのはあまり意味がないと思います。
3. 現場中心。
コストダウンのヒントは、現場にあります。プロデューサーで撮影日しかこない人がいますが、
そういう人はコストダウンができません。
4. いろいろな映像(新しい技術)にチャレンジ。
情報だけでなく、体験してみないとわからないものがたくさんあります。
新しい技術・スタッフ、海外ロケ等、積極的にやるべきです。
いろいろなクライアントの仕事をやるべきです。いろいろな方法があります。
PV、ドラマ、映画は、少ない予算で工夫しながらやっています。
見習うべきところは多いと思います。
安い最新の技術もいっぱいあります。一部のスタッフは嫌がりますが積極的に使うべきです。
私がいつも不思議に思うのは、海外に比べて、日本はプレビズを作らない場合が
多いことです。プレビズは、コストダウンとクオリティアップにとても有効な手段だと思います。
5. 時間をかける。
時間がないと、外注を頼んだり、お金の詰めができないまま、スタートしたりします。
時間をかけて、安くて良い方法を探し続けることはとても重要です。
6. 正しい見積もりを作る。
原価を反映したわかりやすい見積もりを作る。関係者が、どれにどれくらい
お金がかかっているかある程度正確に理解しないと、次の予算編成に影響が出ます。
事実にそった分かりやすい見積もりを作ること。
そのためには、適切な原価を知ることも重要です。業界には、” CM価格” というものが
存在します。CMしかやっていない人は、それが分からずに、高いお金を払い続けています。
1.5.を実行し、複数の業者から相見積もりをとりましょう。
同様に正しい手順で制作することも重要です。何かが抜けていたり、段取りが
悪いとコストがかかります。PPMというものを分かっていない人が多すぎます。
そして、企画ができたらすぐに予算を作ることが、最も重要です。
7. 中間マージンを減らす。
それなりのリスクがありますが、上手くいけば効果は大きいです。
他の業界のように、ビジネス構造を変える可能性があります。
8. 小さな会社で、大きなビジネス
もちろん、大きな会社ではできません。小さな会社では、大きな仕事はなかなか
入ってきませんが、とても有効な方法です。
9. (究極的には)受けない。
断るとそのクライアントから仕事が一切こなくなる可能性がありますが、
そのまま、惰性でやり続けると、赤字が続くのか、利益のある仕事がくるのか、
ギャンブルみたいなものです。新しいクライアントを見つけましょう。
効率ばかり考えてもダメだと思います。仕事によっては、滅茶苦茶時間のかかるもの
もあります。重要なのは、そこから何を学ぶか。
元電通の小田切さんは、スポンサーは、代理店が教育するもの!と言っていました。
そういう時代は終わっていて、プロデューサーが自分たちで考えなければなりません。
ビジネス書「チーズはどこへ行った」の世界です。やるかやらないか。
みんなと同じことをやってもダメだと思います。
最後に、
1.やりすぎないこと。反動も大きいです。
2.予算がある仕事でも規律は守りつつ、結果を出すこと。
予算があり(結果的に)無駄使いして、成果が出ないと次の予算が出なくなります。
3.楽しんでやること。(でないと続かない。)
現在、人材不足と人手不足なのに、プロダクションが無理に仕事を受けて、クオリティの低い、
利益の上がらない仕事が増えているように思います。また、それにつけ込む人たちもいます。
働き方改革というけれでも、同時に、仕事の進め方を変えない限り、映像業界の活力は
失われ続けると思います。無駄な出費を減らして、お金を有効に使えば、日本の映像業界は
少しは未来があると思います。広島カープを見習いましょう。
最後の最後に、
プロデューサーが上流に登れば登るほど、クリエイティブと予算管理の両方が
できます。仕事が好きであればできるし、やろうと思うのが自然です。究極的には、愛?
|